中国公式ドローンサッカーリーグの記事がGlobal Timesに掲載されました。
https://www.globaltimes.cn/page/202508/1342136.shtml
この記事の写真からFAIの世界選手権がどんな環境か予想してみました。
中国公式ドローンサッカーリーグが始動──写真から読み解く会場設計と、11月上海WDSCへの実戦的ヒント
中国・貴陽で開催された「中国公式ドローンサッカーリーグ(Guiyang stop)」は、国際基準に基づくプロ仕様の会場設計で実施され、F9A-A/F9A-B/F9A-Cの3カテゴリ(通称400・200・100ボール)が整然と運用されました。現地レポートでは、参加選手の多くが小中学生で、クラブ所属の継続的なトレーニングにより技術・戦術が短期間で高度化していることが強調されています。また、本リーグは11月15〜18日に上海スタジアムで行われる初のFAI世界選手権(WDSC)につながる動きとして位置づけられています。
写真から見える「コートの構成」
掲載写真を丁寧に観察すると、会場には複数のコートが段階的に配置され、同時進行で試合が行われている様子が確認できます。特に以下の点は、選手・運営者の実務に直結する示唆があります。
- 手前のコート:ブラシレスモーターの20cmクラス(F9A-B)と見られる空気式コート。おおよそ幅3m × 奥行6m × 高さ3mのサイズ感が読み取れます(写真観察に基づく推定)。
- 奥の大型コート:40cmクラス(F9A-A)相当のコート。こちらは空気式ではなく金属フレームの構造が見て取れ、出入口には開閉扉を備えた堅牢な設計です。大型機・ハイスピード試合に耐える安全・視認性設計が重視されています。
- さらに奥のコート:F9A-C(10cm・ブラシ付きモーター)用のコートと見られ、SkykickやVALKINなどの普及レンジの機体カテゴリー運用が想定されます。
ASFC(中国航空运动协会)の表示と世界選手権への接続
コート上部にはASFC(Aero Sports Federation of China)の表示が確認できます。ASFCは中国国内の航空スポーツ統括団体であり、上海でのFAI世界選手権の主催・実施組織に名を連ねます。写真の会場仕様からは、世界選手権でも類似のコート運用(カテゴリ別の複数面&堅牢な安全設計)が想定され、事前の戦術検証や搬入・導線設計の参考になります。
参加者・運営者が押さえるべき実務ポイント
1. コート安全設計:フレーム/空気式の使い分け
- 金属フレーム+扉:F9A-Aのような大型・高衝突エネルギー想定では、出入口に扉を備えた剛性の高いケージが有効です。観客・審判の安全確保につながります。空気式に比べ柱が細くできるので視界の確保にも有効です。
- 空気式(インフレータブル):F9A-BやF9A-Cなど中小クラスでは、設置・撤収が容易で、イベント回転に強い方式が実務的ですね。
2. ピットエリア設計:整備・審査・動線
- 手前コート右奥に機体整備テーブルが明確に区画化されています。コートのすぐ近くで試合前後の調整、破損時の迅速な整備の導線短縮に寄与しているようです。
- FIDAと異なり、FAI準拠大会ではメーカー縛りが基本ないため、機体バリエーションが増えます。
3. 防災・電池対策:消火器とLiPo運用
- 各コートに消火器の設置が確認できます。LiPoバッテリーの発火は低確率でもインパクトが大きいため、初期消火の即応配置は必須ですね。
4. スポンサー・協賛の見せ方
- 柱・バナーにプロペラ/パーツメーカー、送信機・ドローン関連企業のロゴ掲示が確認できます。GEMFAN、JumperなどFPV系ブランドは来場者の関心が高く、試合中でも視認できる導線上に配置するのが効果的ですね。
まとめ
貴陽ラウンドの写真・現地レポートからは、国際基準の三層カテゴリ運用、堅牢な安全設計、若年層中心の普及と専門性の両立が読み取れます。これらはそのまま11月の上海WDSC(ASFC主催)の実戦準備に直結します。出場選手やチームはこの記事の写真からFAIの世界選手権の環境を想像できるのではないでしょうか。