インドネシアのテクノロジー系ニュースサイト「inet detik(イネット・デティック)」が、ドローンサッカーを「未来のスポーツ」として紹介し、注目を集めています。特に、地元ブランド「JETE」が開発した新機種「DS1」の登場は、アジアのドローンサッカーシーンに新しい風を吹き込む存在として話題になっています。
inet detikとはどんなメディアか
「inet detik」は、インドネシア最大級のオンラインニュースネットワーク「detik.com」が運営するテクノロジー専門セクションです。ガジェット、スマートフォン、IoT、ゲーム、AIなど、デジタルライフに関わる幅広いトピックを扱っており、その速報性と分かりやすい解説で人気を博しています。
今回のドローンサッカー特集も、テクノロジーとスポーツの融合という新しい潮流を紹介する目的で掲載され、インドネシア国内での競技普及の機運を後押しする内容となっています。
JETEとはどんな企業か
JETE(ジェテ)は、インドネシアのスラバヤを拠点とするエレクトロニクスメーカーで、スマートフォンアクセサリー、イヤホン、スピーカー、モバイルバッテリーなどの製品で知られています。国内市場でのブランド認知度は高く、特に若年層を中心に支持されています。
同社は「ローカルブランドから世界へ」というビジョンを掲げており、今回発表されたドローンサッカー機「DS1」は、これまでのガジェット開発で培った技術力をスポーツ分野に応用した新たな挑戦といえます。
新型ドローンサッカー機「DS1」の特徴
JETEの最新モデル「DS1」は、直径20cmクラスの小型ドローンサッカー機です。動画で公開されたデザインを見ると、全体が精悍なブラックカラーで統一され、メカニカルでありながら洗練された印象を与えます。
最大の特徴は、内部構造の完成度の高さです。フライトコントローラーやESCといった電子基板が外から見えず、すべてがボディ内部に収められています。これにより、衝突や接触による破損リスクを減らすだけでなく、見た目にもプロフェッショナルな印象を強調しています。
扱いやすさと安全性の両立
バッテリーはカートリッジ式で、ワンタッチでの交換が可能です。これにより試合中のバッテリー交換が容易になり、練習やイベントでも運用性が向上します。さらに、充電はUSBケーブルで行える構造になっていると見られ、初心者でも扱いやすい設計です。
また、LEDライトがフレームに統合されており、飛行中の視認性を確保しています。LEDカラーは固定のようですが、シンプルな構造でメンテナンス性が高いことも利点です。
ブラシレスモーターによる高いパフォーマンス
動画から確認できるプロペラの回転音や挙動から、「DS1」はブラシレスモーターを搭載していると推測されます。これにより、高トルクで安定した飛行が可能となり、ドローンサッカー特有の激しい衝突や素早い方向転換にも対応できます。
一方で、内部構造が密閉されているため、改造やチューニングは難しい設計です。これは、競技用というよりも教育用途やエントリーユーザー向けの完成品モデルであることを示しています。
公式試合への対応は?
現時点で「DS1」にはチーム識別用のLEDシステム(いわゆるチームカラーLED)が搭載されていないようです。そのため、FAI(国際航空連盟)や各国のドローンサッカー連盟が主催する公式大会では、使用できない可能性が高いと考えられます。
しかし、教育現場や地域イベント、体験型ワークショップなどでの活用には最適であり、インドネシア国内でドローンサッカー人口を拡大する「入り口」として大きな役割を果たすでしょう。
インドネシアに広がる「ドローンサッカー文化」
「inet detik」の記事では、ドローンサッカーがインドネシアの若者たちの間で注目を集めていることが強調されています。テクノロジー教育の一環として学校や大学でも導入が進み、今後は地域リーグの設立も期待されています。
JETEの「DS1」は、その象徴的な存在として、誰でも手軽にプレイできる環境を整えることに貢献するでしょう。もしこのモデルが成功すれば、将来的にはFAIルール準拠の上位モデル「DS1 Pro」などの登場も期待されます。
まとめ
JETEの「DS1」は、インドネシアのローカルブランドが世界のドローンサッカー市場に挑む第一歩です。高いデザイン性と扱いやすさ、そして教育・普及を意識した設計が特徴で、東南アジアからドローンサッカーの新しい潮流を生み出す可能性を秘めています。
テクノロジーとスポーツの融合――インドネシアから始まるこのムーブメントが、やがて世界のドローンサッカーシーンを大きく変える日も遠くないかもしれません。
 
 
 
