PlotScope 使い方とよくある質問

Pamo Works / 2026 年 9 月

PlotScope は、ドローン LiDAR の点群から、地図の上で選んだ範囲の立木本数と樹高を求めるソフトウェアです。 やることは 3 つだけです —— 点群を開く → 範囲を選ぶ → 樹高取得

胸高直径(DBH)は取得できません。 PlotScope が求めるのは 立木本数・樹高・樹冠面積・ha あたり本数の 4 つです。 上空からの LiDAR では幹が林冠に隠れて写らないため、幹の太さは測れません。 胸高直径が必要な場合は、地上型の計測や現地調査と併せてお使いください。

目次

1. 点群を開く

起動すると、開く点群を選ぶ画面が出ます。最近使った点群が並ぶので、 続きから見るならそれを選び、別のものを見るなら「別の点群を開く…」を押します。

あとから切り替えるときは ファイル → 点群を開く、 または ファイル → 最近使った点群 から。エクスプローラーで .las / .laz をダブルクリックしても開けます (ほかに点群を開くソフトが入っている場合は、候補から PlotScope を選んでください)。

手元に点群が無いときは。 動作を確かめるための見本を用意しています —— PlotScope-sample.zip(9.1 MB)。 展開して出てくる PlotScope-sample.laz を開いてください。 100 m 角・約 150 点/m² で、座標系はヘッダーに入っているので たずねられずにそのまま開けます。50 m 角で 87 本、最大樹高 30.7 m ほどです。

この点群の位置は仮想です。 地図に出る場所(秋田県 太平山地あたり)はこちらで割り当てた仮の位置で、 そこを測ったわけではありません。実際の場所は公開できないため、 点群を回転・移動して分からないようにしてあります。

一方、樹高・本数・樹冠面積・密度は実測のままです。 回転と平行移動はこれらの値を変えません。 ドローン LiDAR で実際に測ったスギ林の点群です。

座標系をたずねられたとき

点群のヘッダに座標系が書かれていない場合、最初に一度だけ指定を求められます。 2 通りあり、取り違えると地図上の別の場所に載ります

点群の X, Y が…選ぶもの
すでに投影座標(平面直角座標系・UTM など)
例: X = −39,000 / Y = −118,000 のような大きな値
上の「投影座標」。系または帯を選びます
原点からの東西・南北の距離(ローカル ENU)
例: X = −594 / Y = 237 のような 0 付近の値
下の「ローカル ENU」。基準局の位置を入れます

入力すると点群の中心がどこになるかがその場に出ます。該当する場所と合っているか、 必ず確かめてから進めてください。座標が原点から数 km 以内に収まっているときは、 ローカル ENU の取り違えを疑う注意書きが出ます。

あとから直せます。地図上の位置がずれていたら ファイル → 座標系を指定し直すから入れ直してください。 外形や信頼性マップは作り直さないので、たいてい数秒で終わります。

大きな LAS / LAZ を開くとき

COPC 形式の点群は、初回から索引を作らずに開けます(10 億点規模でも 1 分程度)。COPC は LAZ の一種で、 拡張子は同じ .laz のまま、必要な範囲だけを読み出せるように 点を並べ替えたものです。

それ以外の LAS / LAZ は、点が撮影された順に並んでいます。狭い範囲を取り出すだけでも ファイル全体を展開することになるため、初回だけ「場所から引ける索引」を作ります。 進み具合を出しますので、時間がかかりそうなら中止して構いません (作りかけのファイルは削除されます)。2 回目からは 1 秒かかりません。

点数が多い場合は「空間索引を作りますか」とたずねます。作ると容量を使いますが、 範囲を選んでからの計算が数倍速くなります。

2. 範囲を選ぶ

地図の操作

ホイール拡大・縮小
右ドラッグ移動
左クリック範囲を確定
データ全体を表示点群の全体が入る位置に戻す

背景地図は航空写真・淡色地図・標準地図・陰影起伏図から選べます(国土地理院)。 日本の外の点群を開いた場合は、自動で背景なしに切り替わり理由が出ます。

点群の情報を見る

右上の「点群」の欄に、点数・範囲の広さ・平均の点密度が出ます。 密度が 100 点/m² を下回ると注意書きが出ます。結果がおかしいと感じたら、まずここを見てください。

範囲の大きさ

10 m 四方または 20 m 四方を選びます。枠はカーソルに追従し、左クリックで確定します。 確定すると、中心の緯度経度・平面直角座標・四隅の座標と、その場所の地面点の密度が表示されます。

3. 樹高を取得する

樹高取得を押すと数十秒で結果が出ます。20 m 四方であれば、10 億点規模の点群でも同じくらいです。 ※ かかる時間は、ご使用の PC のスペックや点群の状態によって変わります。

結果の読み方

本数範囲内で見つけた立木の本数と、ha あたりの換算
最大 / 平均 / 最低樹高樹高 5 m 以上の立木について
立木一覧樹高・樹冠面積・緯度・経度。樹高の高い順

ここに出る数字は点群から推定した値で、実測値ではありません。 業務にお使いになる場合は、かならず現地で検証してください。

信頼性 —— 良 / 可 / 要注意

樹高は「林冠の高さ − 地面の高さ」で求めます。レーザーが地面まで届いていない場所では 地面の高さを推定するため、精度が落ちます。PlotScope はその度合いを示します。

地面点の被覆が 95% 以上
85〜95%。「地面点がやや少なめです」と出ます
要注意85% 未満。「地面の高さが不確かです」と出ます

「信頼性の低い場所を色で示す」を入れると、点群全体のどこが弱いかが地図上で分かります。 範囲を選ぶ前にこれを見て、確かな場所を選ぶという使い方もできます。

細かい調整

地面の求め方

検出感度

隣り合う樹冠を別の木とみなすかどうかの境目です。計算のあとに変えると、 点群を読み直さずその場で数え直します。

4. 3D で確かめる

3D で確認を押すと、選んだ範囲の点群が立体で開きます。 数字を信じる前に、1 本ずつ目で確かめられます。

左ドラッグ回転
右ドラッグ移動
ホイール拡大・縮小
シングルクリックその点の樹高を測る(青い丸で追加されます)
ダブルクリックその点を回転の中心にする
樹頂点のマークをクリックその木を取り消す(誤検出を外す)

視点は「斜め・真横・真上・反対から」から選べます。断面表示を入れると、 指定した厚さの薄い層だけを見られます。混み合った林分で幹の形を確かめるのに便利です。 下限高を上げると、下層の草や低木を隠せます。

色は「地面からの高さ」が既定です。ほかに標高・反射強度・分類・分類+高さ・点群の RGB を選べます。 色の範囲は「この範囲に合わせる」か、固定値(0〜20 m など)を選べます。

目で直した結果は確認結果を CSV 出力で書き出せます。 自動検出と手動測定が区別して記録されます。手動の測定を取り消すで元に戻せます。

5. 書き出す

CSV 出力

立木一覧を CSV に書き出します。上部に測定の条件(中心座標・一辺・本数・最大/平均/最低樹高・ 信頼性)が入り、続いて 1 本ずつの行が並びます。

no番号(樹高の高い順)
height_m樹高
crown_m2樹冠面積
lat / lon緯度・経度(10 進、小数 7 桁)
local_x_m / local_y_m点群の座標系での位置

文字コードは UTF-8(BOM 付き)なので、Excel でそのまま開けます。 フィート表示にしていると、列名も height_ft のように変わります。

点群を保存

選んだ範囲の点群だけを LAZ で切り出します。報告書に添える、別のソフトで細かく見る、 といった使い方ができます。

6. 設定

単位メートル / フィート。計算は常にメートルで行い、表示だけ換算します
言語日本語 / English。初回は OS の言語に合わせます
設定フォルダを開く 設定・追加した背景地図・表示文言のファイル・地図タイルの控えの置き場所を開きます

表示文言を差し替える(上級者向け)

画面に出る文言は lang フォルダの JSON ファイルで決まっています。 ヘルプ → 設定フォルダを開くで開いたフォルダに lang フォルダを作り、 en.json と同じ形式のファイルを置くと、同梱の文言を上書きできます。 社内の言い回しに合わせる、別の言語を足す、といった使い方ができます。

ファイル名が言語の名前になります(en.json なら英語)。 新しい名前で置けば、言語メニューにその言語が増えます。

背景地図を足す

ヘルプ → 設定フォルダを開くで開いたフォルダに basemaps.json を置くと、 独自の XYZ タイルを背景地図に追加できます。書式の見本は同梱の basemaps.example.json にあります。鍵つきの URL もそのまま書けます。

タイル提供元の利用条件の確認と、URL に含めた鍵の管理は、お客様の責任でお願いします。

よくある質問

点群について

どの形式が使えますか

LAS / LAZ / COPC(.las .laz)です。E57・PLY・PTS などは、 LAS か LAZ に変換してからお使いください。必要なのは XYZ 座標だけで、地面分類は無くても構いません。

どのくらいの点密度が必要ですか

100 点/m² 以上を推奨します。弊社の点群を段階的に間引いて測った結果、 100 点/m² まではほぼ同じ答えが出ました。50 点/m² を下回ると小さい木の取りこぼしが増え、 樹高の平均が実際より低く出ます。開いた点群の密度は画面右上に出ます。

写真測量(フォトグラメトリー)の点群は使えますか

読み込むことはできますが、樹高の測定には適しません。 林冠に遮られて地面まで写らないことが多く、地面の高さが推定になるためです。 動作保証の対象外とさせていただいています。

元の点群ファイルは書き換わりますか

書き換えません。読み込みを速くするための補助ファイル (.idx.npz .rel.npz .proj.json など)を同じ場所に作りますが、 ファイル → この点群の下準備を削除から削除できます。

位置と座標系について

点群が地図の思ったところに出ません

座標系の指定違いがほとんどです。とくに、原点まわりの小さな座標 (ローカル ENU)の点群を「平面直角座標系」として開くと、その系の原点付近に載ります。 ファイル → 座標系を指定し直すから入れ直してください。数秒で直ります。

位置の精度はどのくらいですか

お渡しいただいた点群の座標をそのまま使いますので、 精度は点群次第です。基準局を立てた PPK なら数 cm、単独測位なら数 m です。 なお ITRF 系(PPP など)の座標を平面直角座標系へ変換する場合、 公共測量では別途セミ・ダイナミック補正が必要になることがあります。 樹高は「差」なので、絶対位置がずれていても値は変わりません。

対応している座標系は

平面直角座標系の点群データを推奨します。 日本の平面直角座標系(19 系すべて・JGD2011)と、世界の UTM に対応しています。 その他は EPSG 番号を直接入力できます。ヘッダに座標系が書かれていれば、 何も訊かれずにそのまま開きます。

ローカル座標の点群も解析できます。ただし 原点の入力が必要です(緯度経度・楕円体高、または ECEF)。 最初に一度だけで、次からは控えを使います。くわしくは 座標系をたずねられたときをご覧ください。

結果について

樹高が実際より低く出ます

レーザーが地面まで届いていない場所ではよく起こります。 地面の高さが推定になり、その分だけ樹高が短く出ます。信頼性が「可」や「要注意」になっていないか、 「信頼性の低い場所を色で示す」で確かめてください。落葉期に撮り直すと大きく改善することがあります。

本数が実際と合いません

まず検出感度を変えてみてください。計算のあとでも、その場で数え直します。 樹冠が重なる林分では「高い(細かく分ける)」、単木が大きい林分では「低い(まとめる)」が合います。 3D で確認から誤検出を 1 本ずつ取り消すこともできます。

同じ場所を測ると本数が 1〜2 本変わることがあります

手法の性質です。樹冠の鞍部の深さが境目に近い木は、 どの点を拾ったかで別の木と数えられたり 1 本にまとめられたりします。 ±1〜2 本は手法の再現性の範囲とお考えください。樹高の最大値はほとんど変わりません。

「樹高 5 m 以上の立木なし」と出ます

その範囲に 5 m を超える立木が見つからなかった、という意味です。 伐採跡地・草地・幼齢林ではこうなります。範囲を選び直してください。

速さについて

初回の読み込みが遅いです

点が撮影された順に並んだ LAS / LAZ では、初回だけ索引を作るためです。 2 回目からは 1 秒かかりません。毎回速くしたい場合は、点群を COPC 形式に 変換してお使いください。COPC は LAZ の一種で、拡張子は .laz のまま、 必要な範囲だけを読み出せる並びになっています(10 億点でも 1 分程度で開きます)。

範囲を選んでからの計算を速くしたい

開くときに「空間索引を作りますか」とたずねられたら、作ってください。 容量を使いますが、計算が数倍速くなります。COPC 形式の点群では、この索引は要りません (たずねられません)。

表示について

背景地図が真っ白です

3 つの可能性があります。日本の外の点群(地理院タイルは日本のみ。 自動で背景なしに切り替わり、理由が出ます)、インターネットに繋がっていない (解析機能はすべて動きます)、まだ読み込み中です。

自社で契約している地図を使えますか

はい。ヘルプ → 設定フォルダを開くで開いたフォルダに basemaps.json を置いてください。XYZ タイルの URL を書けば背景地図に追加されます。

データの扱いについて

点群や解析結果が外部に送られることはありますか

ありません。外部と通信するのは背景地図の取得のときだけで、 背景地図を「なし」にすれば一切通信しません。詳しくは プライバシーポリシーをご覧ください。

アンインストールすると何が消えますか

設定・地図タイルの控え・お客様が追加した背景地図や表示文言のファイルが消えます (追加のしかたは6. 設定をご覧ください)。

読み込んだ点群と同じフォルダに作った補助ファイルは残ります。 お客様のデータと同じ場所にあるものを、こちらの判断で消さないためです。 ファイル → この点群の下準備を削除から、いつでも消せます。

その他

動作環境は

64 ビット版 Windows 11(Store 版・直販版とも)。 メモリ 8 GB 以上を推奨します。空き容量は 400 MB 程度に加え、 点群の索引用が別途必要です。

Windows 10 では動作を確認しておりません。Microsoft Store の仕組み上 インストールできてしまう場合がありますが、サポートの対象外と させていただきます。

.las / .laz が PlotScope で開くようになりました。戻せますか

戻せます。PlotScope は点群を扱うソフトなので、 .las.laz を開ける候補として登録されます。 インストール時にお訊ねしていないのは、Microsoft Store のアプリ(MSIX)が その仕組みを持っていないためです。

ほかに点群を開くソフトが入っていた場合は、そちらの設定はそのままで、 PlotScope は候補に並ぶだけです。どのソフトも入っていなかった場合は、 PlotScope が唯一の開き手になります。次のどちらでも変えられます。

設定から —— 設定 → アプリ → 既定のアプリ → 「ファイルの種類ごとに既定を選ぶ」で .las.laz を探し、お好みのソフトを選びます。

エクスプローラーから —— 点群ファイルを右クリック → プログラムから開く → 別のプログラムを選択。 「常にこのアプリを使う」のチェックを外せば、その一度だけ開きます。

PlotScope をアンインストールすると、登録も一緒に消えます。 ほかのソフトが既に持っている関連付けを書き換えたり、消したりすることはありません。

うまくいかないときは

下記へご連絡ください。ヘルプ → バージョン情報の内容と、 お使いの Windows のバージョン、状況をお知らせいただけると助かります。

お求めになった先へご連絡ください。版によって窓口が違います。

Microsoft Store 版 Pamo Works info@soccerdrone.fun

ZIP 版(直販) 有限会社森山環境科学研究所 makoto_moriyama@morewell.co.jp