2025年、ドローンサッカーは次のフェーズへ
2025年は、世界で2つの大規模な国際大会が開催され、ドローンサッカーにとって大きな飛躍の年となりました。競技としての認知度は確実に広がり、メーカーや販売店もドローンサッカーを意識したパーツ展開を進めています。 その中でも注目したいのが、国際ブランドとして知られる T-HOBBY です。
T-HOBBYとは?
T-HOBBYは、モーター・ESC・プロペラといった「ドローン用推進システム」を専門とするブランドで、特に T-MOTOR の運営企業として世界的に知られています。 以下のリンクからドローンサッカー向けパーツが確認できます: T-HOBBY ドローンサッカーパーツ一覧
運営体制は以下の通りです:
- 欧州窓口: Cherrycom Worldwide SL(スペイン)
- 製造・技術拠点: Jiangxi Chuangyi Intelligent Technology Co., Ltd(中国)
ブランドシンボルは「虎」。これは中国の伝統文化における勇気・力・活力の象徴であり、UAV分野の“道しるべ”になるという意志が込められています。
ラインナップを見てみる
2025年12月時点でのラインナップは、40cm球・20cm球ともにFAIチャンピオンシップを強く意識した構成になっています。 一方で、FIDA向けの製品展開はほぼないようです。
高電圧対応のチャンピオンシップモデルが中心
特に目を引くのは、6S対応のモーターやFC/ESCスタックです。 例えば以下のようなパーツがラインナップされています:
- F90 CineLifter モーター
平たいベル形状で大トルクを発揮し、5S〜6Sバッテリーに最適化。 KV値は1300と低めで、高電圧入力により高回転性能と機動性を両立しています。 - F7 + F55A Pro II Stack(30.5×30.5)
6S向けに調整されたハイパワー設計で、まさに競技向けの構成。
なぜ40cm球は6Sが主流なのか?
ラインナップを見ても分かる通り、40cm球は6S、20cm球は4Sを前提とした構成になっています。
その背景には、2025年 FAI World Drone Soccer Championship(上海大会)の結果があります。 優勝した中国チーム、表彰台に上がった韓国チームはいずれも6Sバッテリーを使用していました。 TattuFPVの公式SNSでも、上位チームがどのパーツを使用していたか公開されており、6Sが主流であることが確認できます。
また、ルール面でも明確な違いがあります:
- FIDA:4Sバッテリーのみ使用可能
- FAI:最大6Sまで使用可能
T-HOBBYがFAI向けの製品展開をしていることは、この規格差からも読み取れます。
フレームやガードは販売なし
T-HOBBYはモーター、FC、ESCの販売は行っていますが、フレームやガードの販売はありません。
6Sバッテリーは4Sに比べて重くなるため、これを扱うには軽量で高剛性のフレーム・ガードが求められます。しかし現状ではT-HOBBY製の専用品はなく、他社製品を組み合わせる必要があります。 ここは今後の拡充に期待したい部分です。
今後の展開に期待
T-HOBBYのラインナップはドローンサッカー向けとして紹介されていますが、実際にはFPVドローン用パーツの流用が中心です。 そのため、T-HOBBYのスペックを参考に、同等スペックのスタックやモーターを AmazonやAliExpressで探すのも現実的な選択肢です。
ただし、今後ドローンサッカー専用パーツが開発・販売される可能性も十分あります。 競技人口が増え、世界大会が盛り上がる今、ドローンサッカーは新たな発展段階に入っています。 T-HOBBYをはじめとしたメーカーの動向から、ますます目が離せません。
