2025年9月25日から28日に開催された FIDA World Cup Jeonju 2025 を、公式サイトに掲載されているデータをもとに振り返ります。
公式サイトによると、本大会には33カ国から約1,600名が参加しました。
https://www.dronesoccer.org/worldcup
また、このワールドカップの目的として、公式サイトには次のように記されています。
「世界中の人々がドローンサッカーを楽しみ、公平に競い合えるグローバルな祭典。 本イベントはドローンサッカーの世界的普及を促進し、スポーツとしての可能性を探求するとともに、 グローバルなドローンスポーツネットワークの構築を目指す。」
33カ国はどのようなチーム構成なのか
公式サイトでは、各国の国旗をクリックすることで、国ごとの参加人数およびチーム数を確認できます。
参加はしているが、ドローンサッカーに出場していない国がある
各国のデータを確認すると、興味深い点が見えてきます。
実際にはドローンサッカーのチームを1つも編成していない国が、全体の約30%を占めています。
具体的には、以下の国々が「参加者はいるものの、ドローンサッカーの試合には出場していない」国です。
- オーストラリア(参加者 1名)
- バハマ(参加者 1名)
- ケイマン諸島(参加者 1名)
- コロンビア(参加者 1名)
- モロッコ(参加者 1名)
- イタリア(参加者 1名)
- 南アフリカ(参加者 1名)
- UAE(アラブ首長国連邦)(参加者 1名)
- ハンガリー(参加者 2名)
- スロバキア(参加者 3名)
- バングラデシュ(参加者 4名)
これらの国々は、ドローンサッカーの公式試合には出場していません。
逆に言えば、実際に試合を行ったのは残り23カ国となります。 この数字を見ると、FIDAワールドカップは 2025 FAI World Drone Soccer Championships (FAI 2025WDSC)よりも、参加国数が数カ国多い大会であることが分かります。
FIDAワールドカップとは何か
FIDAワールドカップでは、チーム人数を満たせない国であっても、 ドローンサッカー機体を使用したレース競技である CRICINGやSuperPilotには出場可能です。
つまり、この大会はドローンサッカーだけに限定された大会ではなく、 ドローン競技全般を含む、非常に広い意味を持つワールドカップであることが分かります。
大会名称が「Drone Soccer World Cup」ではなく、 「FIDA World Cup Jeonju 2025」とされている点も、 この性格を明確に示していると言えるでしょう。
FAI世界ドローンサッカー選手権とFIDAワールドカップの違い
整理すると、FIDAのワールドカップは 「ドローンサッカーも行う」世界大会です。
一方で、FAI 2025WDSCは、 F9Aというスポーティングコードのもとで 「ドローンサッカーを行う」ことに特化した世界選手権です。
また、FIDA大会では各国で厳密な代表選抜が行われていない点が、 出場チーム数の多さにも表れています。
FIDA公式サイトの記録によると、参加者約1,600名のうち、 758名が韓国からの参加です。さらに、 中国が約200名、日本が155名となっており、 この3カ国だけで参加者の半数以上を占めています。
チーム数についても、韓国だけで数十チームが存在しており、 実質的にはアジア大会に近い構成と言えるでしょう。
韓国のニュースメディア Dニュース1 では、本大会を「クラブカップ」と表現しています。
https://v.daum.net/v/20251125144512928
韓国のチーム数を見る限り、代表選抜が行われているとは言い難く、 各国を代表する大会とは言えない状況であることが分かります。
日本においても、無料参加枠を巡る選抜は実施されているものの、 その後に推薦などでエントリーできるチームが存在します。
一方、FAIの世界選手権では、各国のエントリーチーム数は最大4チーム に制限されています。そのため、FIDAワールドカップと比較して 参加人数が少なくなるのは当然と言えるでしょう。
ドローンサッカーは、まだ始まったばかりなのか
FIDAワールドカップの参加状況を見ると、 ドローンサッカーの選手人口がアジアに大きく偏っていることが分かります。 現時点では、競技の世界的な広がりはまだ限定的と言えるでしょう。
しかし、FAIというオリンピック委員会傘下の航空競技団体による 世界選手権が開催されていることや、 各国の大学・高校などで教育プログラムとしての取り組みが 進んでいる点は注目に値します。
今後、世界的な選手人口の拡大は十分に見込まれます。
次の世界大会は2年後に開催されると言われています。 そのとき、ドローンサッカーはどのような姿の大会へと進化しているのでしょうか。
