NickFPVのYotuubeに機体フレームの剛性や振動の話題が出ています。
The Hidden Tech In Freestyle Drones...
ドローンサッカーは衝突の多い競技なので無視できない情報ですね。
内容を要約してみました。
FPVドローンにおける「共振」とフレーム剛性の重要性
動画ではまず、1940年に崩落したタコマ橋の事例を用いて「共振(レゾナンス)」の概念が説明されます。すべての構造物には固有の振動しやすい周波数(固有振動数)があり、外部からその周波数と一致する刺激が加わると、振動が増幅され破壊に至る場合があります。ワイングラスが特定の音程で割れる現象と同じ原理です。
ドローンにも存在する固有振動数
FPVドローンでは、モーターとプロペラの回転が常に微細な振動を生みます。一方、カーボンフレームにも固有振動数が存在し、モーター回転数とフレームの共振周波数が一致すると、振動が増幅され、フライトコントローラ(FC)にノイズとして入り込みます。これが制御不安定、発振、D項ノイズ増大などの原因となります。
フライト周波数とフレーム共振の分離
レーシング機やドローンサッカー機は、スティック入力に対して非常に素早く反応するため、「フライト周波数」が高くなります。Blackboxログでは、低周波側が実際の機体運動、高周波側が振動ノイズとして現れ、その中間に「静かな帯域(クワイエットゾーン)」が存在することが理想です。ここにフレーム共振が入り込むと、フィルタでは除去できず、制御系と干渉します。
なぜDJIドローンは振動問題が少ないのか
DJI機はレスポンスが穏やかで、フライト周波数が非常に低いため、多少柔らかいフレームでも共振帯域と分離できます。しかし、ドローンサッカーやFPVレース機のような高応答性が求められる機体では、フレームの剛性を高め、共振周波数を上方に押し上げる設計が不可欠になります。
振動を抑える2つの減衰メカニズム
1つ目は「材料減衰」です。カーボンはガラスほど振動を保持せず、ゴムほど吸収もしない中間的な性質を持ち、剛性と減衰のバランスが取れています。
2つ目は「摩擦減衰」で、複数プレート構造やアームのサンドイッチ構造により、微細な擦れがエネルギーを熱に変換し振動を弱めます。ドローンサッカーフレームでも、剛性だけでなく、締結構造の設計が重要になります。
衝突エネルギーを制御する「キーストーン構造」
動画後半では、自動車のクラッシャブルゾーンと同様の考え方がドローンにも応用されていることが解説されます。中央に配置される「キーストーン(スパイン)」は、単にアームを固定する部品ではなく、衝突時の力の流れ(ロードパス)を制御する役割を担います。
ドローンが衝突すると、通常は1本のアームが最初に衝撃を受けます。キーストーンがない場合、そのアームやセンタープレートに力が集中し破損します。しかしキーストーンがあると、衝撃エネルギーは意図的な経路を通ってフレーム全体に分散され、1点破壊を防ぎます。アーム同士が直接接触しない構造にすることで、必ず中央構造を経由して荷重が伝達されるよう設計されています。
ドローンサッカー機設計への示唆
高剛性フレームによる共振周波数の上方シフト、摩擦減衰を意識した多層構造、衝突エネルギーを分散させるロードパス設計。これらはすべて、ドローンサッカーのように「高速応答・高耐久」が同時に求められる競技において極めて重要な設計思想です。
操縦者が安心して機体性能に集中できるかどうかは、こうした目に見えない振動制御と衝撃分散の工学に支えられています。フレームの「剛性」「共振」「減衰」「荷重経路」は、チューニングと同じくらい勝敗を左右する基盤技術だと言えるでしょう。
NickFPV(YouTubeチャンネル @Nick_FPV) は、FPV(First Person View;一人称視点飛行)ドローンに特化したクリエイターによるYouTubeチャンネルです。
これまでフレームは剛性が重要だと思っていたので、接着したりいろいろな方法を試していました。
少し動くくらいが良いのかもしれませんね。
衝撃が逃げるフレーム構造は今後重要だと思います。
