このフォーラムでも情報共有したRadiolink製球体ドローンLDZシリーズですが、
型番がLDZ → LDシリーズへと変更され、公式サイトにも正式掲載されるようになりました。
また以前はなかった、LD-B20Cという新しい型番も掲載されていることがわかりました。
ここでは20cm球のLDZ-B20(旧)と新製品LD-B20およびLD-B20Cについて特集します。
何が違うの?LDZ-B20(旧)とLD-B20(新)
新しくなったB20のスペックを確認してみましょう
https://www.radiolink.com.cn/ld_b20c_drone_soccer
まず、目を引くのが「Alt-Holdモード(高度維持機能)」の追加です。
LDZ-B20には無かった機能です。
B20はBetaflightが搭載されていましたが、
B20Cは40cm球のA40が採用していたArdupilotが採用されています。
Ardupilotは産業用で使われることの多いオープンソースの機体制御ソフトウェアです。
この採用により、Alt-Holdモードという気圧センサーを用いた高度維持が可能になりました。
(Betaflightでも似たようなことはできますが、より簡単です)
送信機による機体低電圧アラーム
Radiolink独自のレシーバーから送られるテレメトリー機能により、機体バッテリーの電圧を受信できます(Radiolink T16など対応する送信機を使用した場合)。
これにより、試合中の電圧を確認し、どれくらいのパフォーマンスで試合を続行できるか判断する事ができます。
例えばFAI F9Aではペナルティショットを何秒戦えるのかを判断できます。
さらに低電圧自動着陸機能を有しており、規定の電圧を下回ると自動着陸が行われます。
これにより過放電によるバッテリーの破損を防ぐことができます。
チームLEDとポジションLEDの追加
旧型では明記のなかったLEDが明記されています。
テールLEDライトとリングライトストリップが搭載され、
赤、緑、青、黄、紫、シアン、白の7色に切り替えできるようになっています。
F9Aの試合では審判や観客もチームの識別や、得点役のストライカーを見分ける必要があります。
LEDが最初から搭載されていることはF9Aに使いやすいですね。
PE+PC複合素材により環境への配慮をアピール
設計や素材が見直され、安全かつ堅牢な設計が謳われています。
さらに環境負荷も考慮されているとしています。
環境負荷はLD-B20CとLD-B20の共通の記述ですが、球体ガードの設計は異なるようです。
どのような違いがあるか明記されていませんが、B20Cのほうが少し丸みのある設計になっています。
B20とB20Cの違いは?
新機種同士で比較するとB20とB20Cには様々な違いがあります。
機体の大きさ
どちらもFAIカテゴリーとして20cmクラスのF9A-Bに適合していますが、
B20は218mmとF9A-Bの制限220mmにギリギリです。
一方、B20Cは少し小さく、200mmというサイズで余裕があります。
機体の大きさはプロペラサイズ、機体重量、モータースペック、採用しているバッテリーに影響します。
モーター
B20は比較的トルクのあるSZ‑SPEED 1505‑3150KVが搭載されています。
3インチプロペラと組み合わせることで省エネですが、重量があります。
一方、B20CはSZ‑SPEED 1404‑4600KVです。比較的小さく、軽量です。
回転数が高いため、俊敏性が高いと考えられます。
FC(フライトコントローラー)、ESC
B20はFCとモーターを電子制御するESC(4in1)が分かれているスタックです。
4Sバッテリーに対応しています。
B20CはFCもESC一つのボードになっています。
これにより機体重量がより軽くなっています。
プロペラ
プロペラはB20が3インチ(T3*3*3)、B20Cが2.5インチ(ピッチ不明)です。
バッテリー
B20は4Sバッテリー対応が明記され、付属するバッテリーも4Sです。
一方B20Cは3Sです。しかしながら、おそらく4Sバッテリーにも対応しているでしょう。
ただし、モーターの回転数が高くなりすぎたりESCの発熱など影響が出る可能性があります。
なぜB20Cが開発されたのか
これは推測ですが、米国のU.S. Dronesoccerの規定に合わせた設計ではないかと推測しています。
U.S. DronesoccerはFAI F9Aを参考としてよく似たルールで全米大会などが開催されています。
FAIがF9A-Bが正式に認定するより以前から開催されていることもあり、機体要件が異なっている可能性があります。
FAI F9A-Bの機体は最大220mmまでですが、U.S. Dronesoccerの機体はやや小さくいつも200mm程度の機体が使われています。
FAI 世界ドローンサッカー選手権(上海大会)でも米国チームは小さい機体で
少し大きい機体の他チームと戦っていました。
このためB20CはU.S. Dronesoccerの大会に向けた製品である可能性もあります。
この点を踏まえると、
B20:FAI規定上限パワー型
B20C:米国市場・軽量俊敏型
という棲み分け戦略の可能性が考えられます。
まとめ
RadiolinkのLDシリーズは、単なる型番変更ではなく、明確な競技志向の進化を遂げています。
特にFAI F9A-Bカテゴリーにおいては、
- Alt-Holdによる操作安定性向上
- テレメトリーによる電圧管理
- LED標準搭載による競技適合性
- サイズ戦略(218mm vs 200mm)
という点が重要です。
B20は「上限サイズを活かしたパワー志向モデル」
B20Cは「軽量・俊敏性重視モデル」
という位置付けが考えられます。
今後、FAIと米国U.S. Dronesoccerの両市場を意識したラインナップ展開が進む可能性もあります。
FAIはB20もB20Cも出場可能です。
実際の競技でどちらが優位になるのか。
それはチーム戦術と操縦者のスタイル次第と言えるでしょう。
