中国で進む「スポーツ化」するF9Aドローンサッカー
中国政府が運営するFacebookアカウントで、中国国内のドローンサッカー大会が紹介されています。
(画像参照)
「ただのドローンを飛ばしているだけかと思っていたが、競争は激しく、非常に技術的だ」
この言葉は、初めてF9Aドローンサッカーを観た人の多くが口にする感想です。
見た目のシンプルさとは裏腹に、実際には高度な操作技術と戦術が求められる競技であることに驚かされます。
中国では選手人口の爆発的な増加を背景に、ドローンサッカーはすでに一定の認知を獲得しており、
「体験」ではなく「スポーツ」として着実に定着しつつあります。
日本では「スポーツ」よりも体験型コンテンツとして認知
一方、日本ではF9Aドローンサッカーは主に次のような文脈で紹介されることが多いのが現状です。
- 商業施設・展示会での体験イベント
- 子ども向けワークショップ
- 地域振興イベント(観光・科学教育)
そのため、一般ユーザーの認知は以下のように偏りがちです。
- 「ドローンで遊ぶ新しいゲーム」
- 「体験型アトラクション」
- 「教育コンテンツ(STEAM分野)」
つまり、日本では「競技」ではなく「体験」寄りのコンテンツとして位置づけられていると言えます。
海外では国や自治体、教育機関が積極的に導入を進めているケースが多く、
競技人口の増加とともに一気に普及が進んでいます。
こうした公的機関の後押しが、「スポーツ」としての地位確立につながっています。
しかし日本では、国や自治体レベルでの導入が体系的に進んでいるとは言い難く、
興味を持つ教育機関があっても、大きな展開に踏み切れない状況が続いています。
日本で「スポーツ」として認知されるための課題
日本のようにトップダウンでの普及が難しい環境では、
「観戦して楽しい」「選手の活躍に感動する」「自分もやってみたい」
といった観戦価値の向上が重要になります。
初見では何が起きているかわからない
冒頭のコメントにもあるように、ドローンサッカーは初見では魅力が伝わりにくい競技です。
多くの人が次に口にするのは、
「何が起きているのかよくわからない」
という率直な感想です。
この状態では「観戦する楽しさ」が生まれず、スポーツとしての認知も広がりません。
そこでフライトボールの情報広場では、観戦体験を向上させるために
スコアボードソフトを開発・公開しています。
このソフトはWebブラウザで動作するためインストール不要で、
PC・スマートフォン・タブレットなど幅広いデバイスに対応しています。
すでにイベントでの導入実績もあり、試合の状況を「見える化」することで観戦理解の向上に貢献しています。
大会スポンサーの獲得という課題
先日のF9Aフランス大会やドイツ大会では、
ドローンパーツメーカーなどがスポンサーとして参画しています。
会場では展示ブースや製品販売も行われており、
大会運営の負担軽減と産業活性化の両立が実現されています。
メーカー側にとっても、新しい機体やパーツ開発の機会となり、
競技と産業が相互に発展する好循環が生まれています。
一方、日本ではドローン産業は依然として「産業用途(点検・測量・物流など)」の側面が強く、
スポーツイベントへの関与が直接的な利益に結びつきにくいという課題があります。
「体験」から「スポーツ」へ転換するために
日本でF9Aドローンサッカーをスポーツとして定着させるためには、
単なる体験イベントの提供にとどまらず、
- 観戦しやすい環境の整備(スコア表示・演出)
- 試合結果や戦術の発信
- チームや選手のストーリー化
といった「競技としての見せ方」が不可欠です。
F9Aドローンサッカーはすでに十分な競技性を備えています。
あとはそれをどのように伝え、どう見せるかによって、
日本でも「スポーツ」としての認知が大きく変わる可能性を秘めています。
