開催概要 — トルコ中央部カイセリで2日間のドローンサッカー選手権
2026年5月16日(土)〜17日(日)の2日間、トルコ中央アナトリア地方の大都市カイセリで、F9Aドローンサッカーの大会が開催されました。主催はトルコ航空スポーツ連盟(THSF:Türkiye Hava Sporları Federasyonu)。トルコ国内における航空スポーツの統括組織で、ドローン関連競技の普及にも積極的に取り組んでいる団体です。
会場にはFAIのロゴが掲示されていましたが、後述の通り、FAIが公式に管轄する国際カテゴリーの大会とは異なる位置づけのようです。
競技カテゴリーと参加チーム数
今大会では、機体クラスごとに以下の2カテゴリーが実施されました。
- F9A-B(ブラシレスモーター/20cm球クラス):5チームが出場。出力の高いブラシレスモーターを使用する、よりスピード感のあるクラスです。
- F9A-C(ブラシモーター):13チームが出場。機体コストが抑えられ、学校や初心者チームでも参入しやすいクラスとして広く採用されています。
合計18チームの参加は、地域大会として相応の規模感です。特にF9A-Cの13チームという数は、トルコ国内におけるドローンサッカー競技の裾野が学校・教育現場を中心に着実に広がっていることを示しています。
優勝チーム — 高校生たちが両カテゴリーを制覇
注目すべきは、両カテゴリーともに高校生チームが優勝を果たしたことです。
- F9A-B優勝:サン・ジョセフ・フレンチ高校(Saint Joseph Fransız Lisesi)
- F9A-C優勝:アナトリア・イマーム・ハティプ高校(Anadolu İmam Hatip Lisesi)。報道によれば全試合無敗での優勝とのことで、チームの完成度の高さがうかがえます。
大会結果の詳細は、THSF公式サイトに掲載されたPDFで確認できます。
FAI公認大会との違い — 国内選手権としての位置づけ
会場写真にはFAI(国際航空連盟)のロゴが確認できますが、FAIが公認する国際カテゴリーの大会ではないと見られます。実際、FAI公式サイトにおいて今回のトルコ・カイセリ大会のアナウンスは見当たりません。
このことから、今回の選手権はトルコ国内のナショナル大会として、THSFが独自に運営したイベントと位置づけられます。各国・各地域のドローンサッカー普及において、こうした国内大会が代表選考や次世代育成の役割を担う事例は今後も増えていくと考えられます。
注目ポイント — 警察組織のチームが参加
個人的に興味深かったのは、トルコ警察組織のチームが出場している点です。レクリエーションとしての参加の可能性もありますが、トルコ警察は業務において無人航空機(UAV/ドローン)を非常に積極的に活用していることで知られています。捜査・警備・群衆監視など多岐にわたる運用実績があり、その背景がチーム結成・参加につながっている可能性は十分考えられます。
ドローンサッカーが、教育機関だけでなく実務組織のチームビルディングや技能訓練の文脈でも採用され得る競技であることを示す、興味深い事例です。
日本のドローンサッカー関係者にとっての示唆
今回のトルコ大会は、日本国内の関係者にとっても多くのヒントを含んでいます。
- 高校生主体の競技シーン:F9A-B/F9A-Cともに高校生チームが頂点に立ったという事実は、ドローンサッカーが10代の主役競技として成立し得ることを示しています。日本でも高校・高専・部活動への展開余地は大きいでしょう。
- F9A-Cクラスの裾野の広さ:参加13チームという数字は、ブラシモータークラスが新規参入のハードルを下げ、競技人口を増やす上で有効であることを再確認させます。
- 国内大会としての運営モデル:FAI国際カテゴリーとは別枠でのナショナル大会開催は、各国連盟の独立した運営とブランディングの好例です。
まとめ・参照リンク
トルコ・カイセリで開催された2026年5月のF9Aドローンサッカー選手権は、高校生チームが両カテゴリーを制覇するという結果で幕を閉じました。教育現場と競技の親和性、そして警察組織の参加という独自性も含め、海外のドローンサッカーシーンの広がりを象徴する大会と言えます。日本国内でも、こうした事例を参考に競技の裾野拡大に向けた取り組みを進めていきたいところです。
関連報道・参照リンク:
